No.365
2002年11月15日
公務労組連絡会FAXニュース
◆トップページへ ◆私たちの運動ページへ

「賃下げ給与法」が国会で成立
=あらためて労働基本権回復などのとりくみに全力を=
 本日10時から開会された参議院本会議で、国家公務員一般職の給与法案が、共産・社民をのぞく各党の賛成多数で可決されました。
 初の月例給切り下げ、実質的に4月からの賃下げの遡及実施をはかる給与法の成立をふまえ、公務労組連絡会は別掲の「事務局長」談話を発表し、労働基本権回復をはじめ民主的公務員制度の実現にむけて、当面する「200万署名」の目標達成などに全力をあげることを呼びかけています。
〜「賃下げの悪循環」を許さず、労働基本権の保障を求める〜
国家公務員給与法の成立にあたって(談話)
1、国家公務員一般職に関わる給与法は、共産・社民を除く各政党の賛成多数により、本日の参議院本会議で成立した。月例給の引き下げを事実上4月にさかのぼって強行し、年間で平均15万円もの減収をせまる給与法は、公務労働者の生活と労働の実態からしても、断じて認められるものではない。とりわけ、地方公務員をはじめ750万人に直接影響をあたえることや、民間賃金や年金給付などとにも連動することから、消費の後退を招き、不況にあえぐ日本経済に悪影響をおよぼすことは必至である。

2、公務労組連絡会は、この間、委員会審議を前に政党・国会議員要請に取り組み、法案の廃案、徹底審議を求めて最後までたたかいを強めた。
 しかし、委員会では、衆・参あわせてわずか6時間にも満たない短時間の審議により、法律の成立がはかられた。地域経済や国民生活とのかかわりをはじめ、初の賃下げ勧告のもとで、労働基本権制約の「代償措置」としての人事院勧告制度の問題点などを明らかにするため、徹底した審議こそ必要だったにもかかわらず、超スピードで成立を強行したことは重大である。

3、衆議院・参議院ともに、「職員団体等の意見を十分聴取」すべきなどとした附帯決議が全会一致で採択されている。また、否決はされたものの、4月にさかのぼって賃下げする「特例措置」を削除した修正案が野党から提出された。
 政府・人事院は、法案審議においても、「年間で民間賃金との均衡をはかるもの」と答弁を繰り返し、給与引き下げを遡及するものではないと強弁した。しかし、いかなる詭弁を弄しても、「不利益遡及」の事実は誰の目にも明らかであり、その不法・不当性に非難の声が集中していることを、附帯決議や修正案が象徴している。
 公務労組連絡会は、無理を通す賃下げの遡及について、その不当性を内外に明らかにしていくため、法的対抗手段の検討を含めて追及を強めるものである。

4、給与法は成立したが、地方自治体においては、国に準拠した「マイナス勧告」や地方財政悪化を口実とした賃金カットなどきびしい攻撃に立ちむかい、仲間たちの積極果敢なたたかいが続いている。また、中労委による国営企業への「マイナス裁定」など労働者の賃下げを加速する攻撃が一段と強められている。
 これらの攻撃が、公務員労働者の労働基本権を奪いながら、国民生活全体の切り下げもねらってすすめられていることにこそ問題の根源がある。近日中には、ILO結社の自由委員会の勧告も予定されている。勧告が出れば、政府は、国際社会の一員として、公務員労働者の労働基本権保障にむけた検討をただちにはじめるべきである。あわせて、「代償機能」をさらに後退させる「公務員制度改革大綱」の撤回を求めるものである。
 公務労組連絡会は、当面の課題である「公務員制度署名(200万署名)」の目標達成に組織の総力を傾け、小泉「構造改革」と正面から対決しつつ、民主的な公務員制度の実現、公務・民間の「賃下げの悪循環」を阻止するたたかいに奮闘する決意である。

2002年11月15日
公務労組連絡会事務局長  浜島 勇
以 上