No.352
2002年10月16日
公務労組連絡会FAXニュース
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「退職手当の引き下げ反対」で要求書を提出
=通常国会への法案提出を前提に検討作業すすめる=
 国家公務員の退職手当削減がねらわれるもと、公務労組連絡会は15日、秋年闘争第2次中央行動を前に、総務省に要求書を提出し、交渉しました。
 交渉では、大幅な手当削減をやめるよう強く求めましたが、総務省当局は、「現時点では、見直しの内容も、実施の時期も未定」としながらも、5.6%の「官民較差」と「来年の通常国会への法案提出」との閣議決定を大前提にして、検討作業をすすめていくとの回答をくりかえしました。
内容は決まっていないが、とにかく法案は出す
 総務省への要求書提出・交渉には、公務労組連絡会からは、浜島事務局長、高坂・黒田両事務局次長が参加、総務省は、人事・恩給局の柿原参事官補佐、宮島参事官補佐ほかが対応しました。
 はじめに、浜島事務局長が、「退職手当の引き下げに反対する要求書」を手渡し、要求の趣旨をのべました。浜島事務局長は、「総務省が示した民間調査結果の5.6%をふまえれば、平均で200万円ほどのダウンをまねく。これは大変な事態となる。賃下げ勧告の上に退職手当まで削減となれば、将来設計が狂ってくる。また、個人の問題にとどまらず、消費に影響をおよぼし、不況が深刻になる。一律の退職手当の引き下げには断固反対する。問題は、特権官僚への優遇にある。天下りを繰り返し、そのたびに高額な退職金を受け取っていることに、国民の批判が集中している。このことにこそ手をつけるべきだ」と求め、現時点での検討状況をただしました。
 これに対して、総務省側は、「9月20日に民間企業退職金実態調査の結果を発表し、その後、27日に通常国会に法案提出と閣議決定された。しかし、具体的には、まだ内容は検討中であり、現段階では申し上げることはできない。ご理解いただきたい。今後、みなさん方にも、ご意見をうかがう機会をつくり、それを十分にふまえて検討作業をすすめたい」と回答しました。
 浜島事務局長は、「検討中で内容を示せないというが、一方では、この間、7%とか10%という数字が報道されてきた。明らかに世論誘導だ。われわれも、まったく非公開にすべきとは思っていない。オープンな議論が必要だと考えている。その際、実際に働いている職員の生活をふまえて検討すべきだ。通常国会での法案提出という出口だけを決めたやり方にも反対する」とのべました。
 総務省側は、「マスコミ等で数字が勝手に報道されたことは誠に遺憾である」としながら、「以前の調査では、国会審議で発表することはあっても、記者発表などはしたことはなかった。しかし、時代が変わって、情報公開のもとで調査結果をオープンにする必要があると考えている。閣議決定はあるが、どういう内容にするのかもまだ決まっておらず、実施の時期も、その内容に沿って検討することになる。見直しはするが、どんな法案にするのかは考えていない」と回答しました。
 浜島事務局長は、「通常国会提出を大前提にすれば、十分な交渉・協議もなく決まっていくこととなる。現実に「痛み」を受けるのは職員だ、単に民間との開きがあるとの議論だけでは合意は得られない」とのべると、「いろいろな意見があるのは承知している。今後、どうすすめるのかはこれからだ。ただし、作業自体はなるべくはやくすすめたい」と回答しました。
 最後に、「要求書」にもとづいて、引き続く誠実な交渉対応を求め、この日の交渉を終えました。
退職手当削減に反対して署名運動を開始
 交渉でも明らかなように、総務省は、9月27日の小泉内閣の閣議決定を大前提にして、来年の通常国会にむけた法案作成作業を急いでいます。総務省が、民間実態調査に基づいて、5.6%という格差を公表しているもとで、大幅な手当の削減がねらわれることは十分に予想されます。
 国家公務員の退職手当削減は、地方公務員をふくめて多くの公務労働者に直接・間接の影響をあたえることとなります。こうしたことから、公務労組連絡会は、退職手当の引き下げに反対し、政府あての署名行動を開始します。
 緊急のとりくみが求められていることから、「公務員制度署名」(200万署名)など秋年闘争の諸課題とも結びつけて、職場から多くの署名集約を呼びかけます。
以 上