No.332
2002年7月31日
公務労組連絡会FAXニュース
◆トップページへ ◆私たちの運動ページへ

猛暑はねかえし3500人が熱いたたかいを展開
= 賃下げ勧告は断じて許すなと「第2次中央行動」で奮闘 =
  4年連続の賃下げ勧告がねらわれるなか、公務労組連絡会は7月31日、第2次中央行動にとりくみました。
 夏季闘争で最大規模となった中央行動には、全国から3,500名の仲間が結集、2波にわたるロングランの人事院前行動をはじめ、各省への要請行動、全労連と共催の総決起集会・デモを展開し、猛暑のなかを「賃下げ反対、公務労働者の生活守れ」「国民犠牲の悪政反対、民主的公務員制度の確立を」の要求を高々とかかげて、意気高く奮闘しました。

中労委は労働者の生活をふまえた判断をしめせ
 この日、日本列島は太平洋高気圧にすっぽりとおおわれ、首都・東京は、気温もすでに午前中から30度をこえ、うだる暑さのなかでの行動となりました。
 中央行動のスタートを切って、11時からは中央労働委員会前での要求行動がとりくまれました。郵産労が、賃金紛争の調停を6月に申請してからすでに2か月が経過しつつあるもとで、中労委に対して公正で迅速な調停作業を求めるため、全労連と共催で配置されたものです。
 主催者を代表して、全労連の岩田事務局次長は、「パート労働者の待遇改善など注目されている郵産労の中労委にむけたたたかいを、全労連としても全力で支援する」とのべ、また、郵産労の広岡書記長からは、総務省との交渉から調停申請までの経過が報告され、同時にたたかう決意が表明されました。
 郵産労のたたかいにも連帯して、国公労連飯塚中央執行委員が、「マイナス勧告がねらわれるもと、国労法対象の独立行政法人は交渉権や協約締結権があるものの、賃金引き上げのたたかいはきびしいが、みなさんとともにがんばりたい」と決意表明しました。最後に、当該の郵産労を代表して、田中委員長(公務労組連絡会副議長)から「中労委の役割と任務が問われている。現場の郵政労働者の生活実態をふまえて判断すべき。郵政公社に移行しても、賃金の自主交渉・自主決着をめざす」と力強く決意がのべられ、参加者全員で中労委にむけたシュプレヒコールをくりかえし、行動を終えました。
 昼休みは霞ヶ関官庁街など5カ所の「超ワイド行動」
 午後からは全国からの上京団も合流し、昼休みの時間帯に5カ所に分かれて、「霞ヶ関包囲行動」を展開しました。
 国公労連が中心となった人事院前要求行動(パート1)は、霞ヶ関官庁街で働く仲間も多数つめかけ、「賃下げ許すな!」の熱気あふれるなかで行動がはじまりました。
 主催者あいさつした公務労組連絡会堀口副議長(国公労連委員長)は、「機械的な民間準拠の勧告は、人間としての尊厳と権利を否定するもの」とし、「労働者の国民の生活と権利を守るため、最後の最後まで奮闘しよう」と、たたかいへのさらなる結集を呼びかけました。また、民間労組を代表して全国一般福本書記次長が登壇し、「春闘の賃上げはきびしいが、民間のベアゼロを人勧に反映させることは許せない。公務員制度改革も、大企業・財界のためのものだ。苦労している中小企業のことは抜け落ちている。みなさんと力をあわせてたたかう」と激励の言葉を送りました。
 闘争報告では、国公労連小田川書記長から、この間の交渉の経過、今年の勧告における追及点などが簡潔にのべられ、参加者全体でいっそうの奮闘を確認しました。これをうけた各単産からの決意表明では、「人事院東北事務局前の座り込み行動にとりくんできた。今日はその時に使ったムシロ旗を着て参加した。労使交渉もできないのに、マイナス勧告とは絶対に許さない」(宮城県国公・昆野さん)、「民間との連帯を重視してきた。座り込みでは、全国一般や地域労連など民間の多くの仲間にはげまされた。中小企業の社長までが、公務員の賃金に右ならえする。国民的な課題だ」(愛知国公・伊藤さん)、「最高気温38度にもなるなか、1週間連続で人事院近畿事務局前の座り込みでたたかった」(近畿ブロック国公・秋山さん)など、地方における奮闘が生き生きと報告されました。

●国民本位の予算策定を求めて〜財務省
 財務省前の要求行動は、国公労連・自治労連の仲間が参加し、来年度の概算要求策定の時期を前に、国民本位の予算確立を求めました。
 国公労連遠山副委員長は、「生活と権利を守るたたかいと、軍事基地の新設に予算をつかい、社会保障を切り下げる予算の使い方には、ノーの声を大きくして奮闘しよう」とあいさつしました。民間組合代表としてかけつけた生協労連の桑田委員長は、「消費を拡大せずに不況の克服はありえない。750万人に影響のある公務員賃金も、消費拡大のためにも引き上げるべきだ」と激励あいさつしました。
 公務労組連絡会岸田幹事の闘争報告のあと、「こんなに職場でがんばっているのに、マイナス人勧などとは、何を目標にすればいいのか。朝飯も食べずに、残業する生活を続けろというのか」(全司法中国地連・伊藤さん)、「サービス残業がはびこり、リストラが横行している。医療・福祉を削りながら、大企業へは露骨な優遇だ。今の日本は、政治も経済もおかしい」(全税関本部・古木名さん)、「『住民に奉仕』から『住民に君臨』する自治体づくりがすすみ、本来の自治体ではなくなっている。今の財政赤字はムダづかいによるもので、国民が作ったのでも公務員の賃金が高いからでも断じてない」(自治労連本部・若井さん)など、各単産からの決意表明をうけ、最後にシュプレヒコールをくりかえしました。

●教育基本法の改悪を許すな〜文部科学省
 全教が中心となった文部科学省前の行動では、長谷川全教副委員長が主催者を代表してあいさつし、「憲法と教育基本法を学校と教育に生かそうととりくんできた署名は、15万筆を文部科学省に提出した。これから秋にかけて『3000万署名』を成功させよう」と呼びかけました。
 また、参加者からは、各県・高教組の代表による「リレートーク」がくりひろげられ、青森高教組、都教組、山梨高教組、佐賀高教組の代表などから発言が出されました。

●国民犠牲の「公務員制度改革」を許すな〜行革推進事務局
 民主的な公務員制度の確立を求めてとりくんだ行革推進事務局前の行動は、公務労組連絡会の浜島事務局長が、主催者を代表してあいさつし、「6月のILO総会の結果を土台に、労使合意にふれない大綱の具体化を許さず、世論を背景に政府を追いつめよう」とのべました。
 国公労連山瀬副委員長の闘争報告では、「日本の民主主義発展や行政民主化に重要な意味をもつとともに、モノ言わぬ公務員づくりが民間労働者に影響することなどで、公務員制度改革とのたたかいは重要だ」と、民主的な公務員制度の重要性が強調されました。
 決意表明では、「新人事制度の評価制度は、気象庁の例で言えば、天気予報を出すまでには多くの人が関わり協力しあって成り立っており、導入されると混乱する」(全気象東北地本・佐々木さん)、「能力・業績主義による弊害は職場の摩擦を強め、目標管理で競争が激しくなるなど、国税の荒廃した職場実態がすでに示している。断じて認められない」(全国税本部・本田さん)、「郵便貯金の財政投融資は、国民の暮らしに密着した育英会や住宅公団などの事業に使われてきたが、それを切り捨てて、市場での運用に回すとする『改革』は危険なたくらみだ」(水資労・山本さん)とそれぞれ発言がありました。
 また、民間労組を代表して、自交総連東京地本の小林さんが激励にかけつけました。

●住民基本台帳ネットは凍結せよ〜総務省
 自治労連が主体となった総務省前行動では、公務労組連絡会駒場議長(自治労連委員長)が主催者あいさつ、民間単産から、通信労組岩崎委員長が連帯あいさつし、NTTリストラとのたたかいを報告しながら、「人勧で公務員賃金を下げると『政府がやっているから』と民間に果てしなくひろがる。賃下げを許さず労働者の権利を守るためともにたたかおう」とのべました。
 決意表明では、「住基ネットが8月5日からスタートされるが、職場では不安や疑問がいっぱいだ。情報が漏れたら誰が責任をとるのか。法律が整備されないままのスタートはすべきではない。凍結せよ」(大阪市労組・池尾さん)、「東京では4%賃金カット・人員削減で病気(精神疾患)や自殺者が毎年増えつづけている。さらなる人員・人件費削減は精神的にも肉体的にも職員・労働者を追い込んでいく。マイナス勧告は断固許さないたたかいをしていく」(東京自治労連・桑原さん)などの発言がのべられました。

怒りを爆発させた人事院前ロングラン行動
 参加者は、5カ所の行動を終えて、日比谷公園近くにある人事院へと続々と集結してきました。すべての行動参加者が勢ぞろいしたところで、いよいよ午後からの人事院前行動(パート2)のはじまりです。
 あいさつした駒場議長は、全国から人事院前に総結集した仲間たちを見渡しながら、「この行動には民間の多くの仲間がかけつけてくれた。賃下げの悪魔のサイクルを断ち切るたたかいであるとともに、小泉『構造改革』と正面から対決する大義あるたたかいだ。賃金改善署名や座り込み行動で最後までがんばろう」とよびかけました。
 その後、「賃金改善署名」の人事院への提出行動に参加する各単産代表が宣伝カーの前に集合し、署名をうずたかく積み上げて、参加者の激励の声と拍手に送り出され、人事院へとむかいました。
 引き続きすすめられた要求行動では、建交労の江沢書記長が民間組合を代表して連帯あいさつし、「公務員の賃下げをテコに民間の賃下げや下請け単価が値切られる。マイナス勧告は人ごとではない。みなさんと連帯してたたかう」と激励の言葉がのべられました。
 勧告をめぐる緊迫した情勢を反映して、各単産代表の決意表明も、「対等の交渉もなく賃下げが決められるのは納得できない。満身の怒りをこめて全国でたたかう」(国公労連本部・伍さん)、「不況のなか、岩手の求人倍率は0.36倍で最後から3位。長時間労働で長期病休者もいるが、仕事はきびしくともいい仕事したいと思っている。賃上げは不可欠だ」(盛岡市職労・黒沢さん)、「岡山高教組のILO提訴に対して、日本政府に勧告が出された。賃下げは国際的にも認められていない。ILO条約違反だ」(岡山高教組・田中さん)など、人事院への怒りと、一方的な賃下げは絶対許さないとの強い意思がしめされるものとなりました。
最後の最後までたたかいぬくとの誓いも新たに
= 全労連と共催で日比谷公園で決起集会・デモ =
 中央行動をしめくくって、午後2時からは、日比谷野外音楽堂で、全労連・公務労組連絡会の共催による中央総決起集会が開催されました。
 気温もますます上昇し、日比谷公園のセミがやかましく鳴くなか、会場に詰めかけた仲間は、公務労組連絡会が用意したうちわを忙しくあおぎながらの参加となりました。国公労連の仲間は、おそろいの手ぬぐいをかざしてオレンジ一色です。
 集会の開会前の「ゆうた・プロレタリア・サンドウィッチ」の音楽バンド演奏も、集会にむけた雰囲気を盛り上げました。
 全労連寺間幹事・自治労連島村副委員長のコンビの司会ではじまった集会は、主催者を代表して全労連坂内事務局長があいさつし、「人事院勧告がマイナスとなり、地域最賃の目安も据え置きとなり、これではデフレ不況の建て直しは不可能だ。有事法制を阻止した国民の力に確信を持ち、力強くたたかおう」とのべ、国民生活を守り、悪政を許さないたたかいの強化を呼びかけました。
 集会に激励にかけつけた農民連の白石副会長は、輸入自由化や減反のもとで生活保護水準も下回る農家の実態などをのべ、「攻撃の根っこは一つだ。みなさんと力をあわせてたたかいたい」と集まった官・民の労働者に熱いエールを贈りました。
 その後、司会者から多くの民間組合の仲間が連帯してかけつけていることが紹介されると、色とりどりの組合旗をふって応え、公務の参加者は大きな拍手でエール交換しました。
 浜島事務局長からの情勢報告では、これまでの交渉経過や署名の集約数など、たたかいの到達点が明らかにされるとともに、賃下げをねらう人事院を、「『代償措置』としての役割はすでになくなった」と怒りを込めて指摘。人事院前での座り込み行動などへの結集が訴えられました。
 集会の見どころは、各単産のパフォーマンスをまじえた「決意表明」でした。
 トップバッターの国公労連は、サッカーボールを手にしたイレブン・11名の精鋭が壇上に整列、山瀬副委員長のかけ声で一人一人が「怒りのキック」。みごとシュートが決まると会場から喝采をあびました。また、全教は、たくさんの「要求たんざく」で飾り付けられた七夕の笹をかざしての決意表明。地方組織を代表して近畿公務共闘の仲間たちが、テレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」の替え歌で、「♪4年連続賃下げされて普通のくらしできるでしょうか〜」と声をそろえて歌うと、さかんな拍手がおくられました。自治労連も、三宅書記長が代表して決意をのべました。
 最後に、「集会アピール」を全員で確認し、公務労組連絡会堀口副議長の閉会あいさつと団結ガンバロウでたたかう決意を固め合い、参加者は、行革推進事務局コースと銀座コースに分かれて、元気よくシュプレヒコールをあげながら、デモに出発しました。
 猛暑を通り越し、まさに「酷暑」のなかでの行動でしたが、3,500人の仲間が集まったエネルギーを確信に、最後の最後まで職場からたたかいぬくことを誓い合った中央行動となりました。参加者のみなさん、たいへんごくろうさまでした。

26万6千名分の「賃金改善署名」を人事院に提出
 6月からとりくみを開始した「賃金改善署名」は、7月末現在で、26万6千筆が集まっています。これらの署名は、中央行動の際の人事院への要請行動で提出、公務職場はもとより、民間組合や住民など地域からも集まった声を真摯にうけとめ、賃下げ勧告は絶対にやめるよう人事院に強くせまりました。
 今後、さらに集約をすすめ、座り込み行動などを背景に、人事院に提出していきます。職場に置いてある署名用紙は、1枚のこらず各単産・単組本部に大急ぎで送ってください。
以 上