No.328
2002年7月4日
公務労組連絡会FAXニュース
◆トップページへ ◆私たちの運動ページへ

公務員制度・賃金・労働条件改善で追及
= 中央行動と並行して行革推進事務局・人事院交渉を配置 =
 公務労組連絡会は7月3日、第1次中央行動に連動して行革推進事務局との交渉をおこないました。
 この交渉は、あらためて「大綱」撤回をせまるとともに、推進事務局が4月に「新人事制度の原案(第2次)」を提示してくるもとで、労働組合との交渉・協議にもとづく合意のうえでの制度設計を求めて配置されたものです。
 ILO総会でも、日本政府が、労働組合との「誠実な交渉・協議」を2年連続で表明せざるをえなかったにもかかわらず、この日の交渉でも、行革推進事務局には、「大綱」決定を、事前の提案もなく一方的に強行したことに対する反省のかけらも見られず、合意や納得はえられなくとも「交渉・協議」はおこなわれたとの強硬姿勢に終始しました。
 また、午後からの人事院前行動と並行して、6月11日に提出した「夏季重点要求」にもとづく第1回目の人事院交渉をおこないました。
「交渉・協議」の内容をめぐって追及〜行革推進事務局交渉
  行革推進事務局との交渉には、公務労組連絡会から、駒場議長を先頭に、松村・田中両副議長、浜島事務局長、黒田・高坂両事務局次長、先水幹事(国公労連)が参加し、行革推進事務局は、公務員制度等改革推進室の谷内企画官、ILO総会にも出席した同室の佐藤係長が対応しました。
 駒場議長は、「前回4月の交渉以降、ILO総会における『公務員制度改革』の議論や、ムネオ疑惑に象徴される国民の政官財癒着への世論の高まりなど、この間の情勢の変化もふまえれば、『大綱』を撤回して再検討すべき。また、新人事制度の第2次原案は、公務労組連絡会との交渉・協議にもとづく誠意ある対応を求める」と交渉の口火を切りました。
 浜島事務局長は、要求の趣旨についてのべつつ、ILO総会の条約勧告適用委員会における「議長集約」にふれて、「日本政府は条約を批准しており、それを完全に履行すべきだ。その見地にたった公務員制度改革であるべきだ。国家の運営に関与しない公務員労働者の労働基本権は、完全に保障されるのが国際的な常識でもある。その立場から対等・平等な労使関係の確立は不可欠だ」とのべ、また、「新人事制度」については、「どのような内容であれ、職員を代表する労働組合との合意がなければ、うまくいくはずがない。合意と納得にもとづく検討を約束せよ」とせまりました。
 これに対して、谷内企画官は、「現行のキャリア制度は問題があるとの立場から見直し、厳正かつ能力本位の人事にあらためる。『天下り』は、明確な基準を設け、二重三重のチェックにより適正化をはかる。『大綱』撤回の要求については、すでに政府で閣議決定されたものであり、撤回する考えはない。職員団体との『交渉・協議』については、ILO総会での日本政府代表の発言のとおりだ。今後、『2次原案』をベースに議論を深めていきたい。現在、試行の内容について検討しているところであり、各省と調整のうえ、職員団体とも誠意を持って意見交換していく」と回答しました。
 約40分におよんだ交渉では、主に、@ILO総会における「議長集約」を行革推進事務局としてどう認識しているのか、A今後、「交渉・協議」による合意と納得にもとづいた検討作業がすすめられるのかどうかという2点が追及のポイントとなりました。
 浜島事務局長は、「昨年の総会からさらに発展して、今年は、議長集約のなかで、十分な協議のうえ公務員制度改革をおこなえとの『強い希望』が表明されている。日本政府に対して、きちんと交渉をやれと言っている。そのことを事務局としてどう受けとめたのか?」とせまり、駒場議長も、「議長集約は、日本の公務員の労働基本権が制約されていることを問題視している。それは、『制約維持』を決定した行革推進事務局の結論が否定されたことではないのか」と事務局の考えをただしました。
 谷内企画官は、「条約勧告適用委員会での議長の指摘は認識している。そこでの要請にもとづいて、次回の委員会では、日本政府として、きちんとした報告を提出する必要があると考えている」と回答するにとどまり、世界各国からの批判の声を重く受けとめる姿勢はまったく伝わってきませんでした。

「時間は短くとも交渉があったと認識している」と強弁

 また、ILO総会で日本政府が「労働組合とは91回の交渉・協議をおこなってきたところである」と発言しているもとで、昨年12月のように、労働組合の意見も聞かず、突然「大綱原案」がしめされ、合意もないままに一方的に「大綱」の閣議決定を強行したことが、「交渉・協議」に値するのかという点に追及が集中しました。
 谷内企画官は、「たしかに、『原案』から『大綱』決定までは1週間と時間が短かったが、職員団体との交渉・協議があったと認識しているだ」と強弁。これに対しては、「そちらがどう認識しても、是正しろと世界から指摘を受けているではないか」「『連合』もILOに提訴しているように、『大綱』決定が一方的な強行であったことは、日本の労働界の一致した見解だ。同じようなことを繰り返そうとしているのなら断じて認められない」「推進事務局は、労働組合よりも与党との協議を優先させたではないか。どこに交渉・協議などが存在したのか。あくまで強弁するのなら、事実をしめせ」「合意をする努力がないのは交渉とは言えず、世間の常識とかけ離れている」と、いっせいに怒りの声があがりました。
 谷内企画官は、「今後、提案するものは、時間的余裕をもってやっていきたい。第2次原案も4月に提示したところだが、十分時間をとって、交渉・協議していきたいと考えている」と、ありきたりの回答を繰り返すのみでした。
 最後に、駒場議長は、「こちらの要求は何一つ受けいれられなかった。回答はとうてい容認できない。職場の合意と納得なしに検討をすすめるな。国際的な批判を真摯に受けとめ、実効ある交渉・協議がおこなわれるよう、繰り返し強く申し入れる」とのべ、交渉を締めくくりました。
周辺状況のきびしさをひたすら強調〜人事院交渉
 人事院交渉には、公務労組連絡会からは、駒場議長、松村副議長、浜島事務局長、高坂事務局次長、松本幹事(自治労連)、本多国公労連中執が出席し、人事院側から和田給与一課長補佐、箕浦職員課長補佐ほかが対応しました。
 交渉では、最初に、@民間春闘結果が発表されているなかで、例えば、人事院がマイナス勧告をするようなことがあれば人事院の存立にかかわる、A総額人件費が抑制されているなかで、政府の責任ある閣僚から人件費の削減発言がされているが、人事院としてこうした発言に機敏に対処すべき、B経済財政諮問会議が、公務員給与の地域ごとの見直しを求めているが、ナショナルミニマムがあるもとで給与の引き下げはあってはならないことと表明して、すでに要求してある項目をふくめ回答を求めました
 和田補佐は、「これまでもきびしい情勢だと繰り返してきたが、これまでにないほどの難しい情勢だ。経済は企業活動に力強さがなく、雇用情勢も失業者は昨年7月からほぼ1年間にわたって5%台となり、不況の長期化がすすんでいる。民間の給与改定は、各調査で、0.3ポイント下がっており、さらに電機大手の定昇切り下げの合意や賃金カットが行われているなかで、公務員にきびしい批判を頂いている。今までにない状況だと認識している。こうしたなかで、人事院の代償措置としての勧告の役割という基本的スタンスをふまえ、従来通り、民間調査を通して民間給与の把握を適正に行い、適切に対処していく」と回答しました。
 この他、超勤の縮減問題について、箕浦補佐は、「人事院として重大な関心を持っている。公務員制度改革大綱でも重要な問題として触れており、関係各省と連絡をとって研究している」とし、男女平等問題に対しては、「すでに人事院として対処しているものについて、実効あるものとしてやっていきたい」と回答する一方で、非常勤職員の処遇改善については、「必要により任用されているものであり改善は難しい」従来の姿勢を変えていません。

賃金の地域間格差問題はひきつづき検討する

 これらの回答を踏まえて交渉団からは、「人勧の役割をきちんとしてやってもらいたい。民調の結果はいつ出るのか、勧告の時期はいつ頃か、公務員制度問題についての人事院の考えはどうか」などについて再度ただしました。
 人事院側は、「勧告の社会的意義、労働基本権の代償措置の確保、750万人うんぬんの話もあったが、今年はそれ以上に波及効果があるかとも思っている。たんに一般職公務員だけでなく、勧告の意味合いを考慮して検討していく必要があるかと思っている。民調は例年通り6月半ばに終了して、いまは集計作業に入っており、申し上げられるようなものがでていない。作業は例年ペースですすんでいるが、勧告の時期については、作業の進捗との関係もあり、例年と比べて遅れるとか、早いとかを言える状況にはない」と回答が示されました。
 これをうけて、@給与削減問題についての政府からいろいろ発言があるが、政府にものを言う考えはないのか、A地域間較差問題について今年の勧告で言及するのか、B民間の定昇ストップなどは民調結果に反映しないと思っていいのか、C厚生労働省関係の資料で有給休暇を完全消化すれば、経済効果や、雇用に好影響が出るとの報告書が出ている、人事院として対応すべきなどの点で、再度人事院の見解を求めました。
 これに対して人事院側からは、「人事院としては、第三者機関の役割があるのでその役割を果たしていきたい。従来通り民間準拠の基本スタンスでやっていきたい。『地域間較差』については、今年の報告勧告でどのようにするか検討を続けているところだ。民間の給与カットや引き下げは、4月時点の官民給与比較をするので、その時点ででどうなっているかで結果が出る。年休問題は、休暇の拡大は難しいが、計画的取得をしていかなければならない。地味だが取得状況のヒアリングをして進めている。総務省とも十分話し合っている。詰める余地があるので今後も研究していきたい」と回答しました。
 以上のやり取りをおこない、交渉回数の上積みや対応レベルの引き上げをふくめ、引き続き交渉を重ねていくこと求めつつ、この日の交渉を打ち切りました。
以 上