No.325
2002年6月7日
公務労組連絡会FAXニュース
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郵産労が中労委に調停を申請
= いまだに有額回答が示されない異例の事態に対応 =
 郵政産業労働組合(郵産労)は7日、賃金引き上げ要求にかかわって、中央労働委員会に調停を申請しました。
 すでに伝えられているように、総務省は、4月23日の郵産労との交渉で、「現段階においては、具体的に回答できる状況にない」などとした「回答」を示して以降、現在まで郵産労との交渉の場すら持たないという対応をとりつづけてきました。
 本来ならば、労働組合との交渉にもとづき、4月段階で有額回答を示すべきにもかかわらず、総務省が使用者としての責任を放棄してきたことはきわめて重大です。
 こうしたもと、郵産労は、これ以上交渉をつづけても回答に進展はないと判断し、中労委に調停を申請したものです。
 全労連と公務労組連絡会は、郵産労の調停申請後ただちに、公正な調停・仲裁作業を求めて共同の申し入れをおこないました。
「デフレ不況」打開にむけて労働者の賃上げこそ必要
 全労連・公務労組連絡会の申し入れには、公務労組連絡会から、駒場議長を先頭に、浜島事務局長、黒田事務局次長、先水幹事(国公労連)、吉田幹事(全教)の5名、全労連を代表して中山幹事(労働調査政策局長)が出席しました。また、当該の郵産労からも田中委員長(公務労組連絡会副議長)をはじめ本部役員が同席しました。
 中労委側は、前田事務局次長ほかが対応しました。
 はじめに、全労連の中山幹事が、「民間ではベアゼロや定昇カットが強行されており、消費の悪化により、日本経済は冷え込む一方だ。景気を暖める大局的な見地に立って調停作業にあたるべき」とし、労働者の生活改善にむけて、積極的な賃上げを求めました。また、非常勤職員の賃上げについて、「4月の郵産労の調停申請以降、労使の話し合いによる解決を求める『口頭勧告』が出されたが、官民ともに臨時・非常勤の労働者が増えている実態をふまえ、第三者機関としての責任ある判断を求める」と要請しました。
 駒場議長は、6月になっても当局による具体的な回答が何ら示されないもとで、郵産労と総務省の労使関係がきわめて異常な状態にあると指摘し、また、そのことは、現在、公務員賃金の削減が政府の中で議論されている問題とも連動している点を強調しました。そのうえで、「公務員賃金の削減は、労働基本権をふみにじる行為であり、断じて許されない。国営企業労働者に有額回答が示されない事態も、労働基本権にかかわる重大な問題として認識してもらいたい」と求めました。
 浜島事務局長は、3項目の申し入れ事項に関わって説明し、「賃金は生存権にかかわる問題だ。労働者の権利を守る立場で公正な判断が求められている」として、郵政職員の仕事の実態をふまえた賃金の改善を強く求めました。
 その他の参加者からは、「閣僚が公務員賃金の削減に言及するのは、労働基本権制約の『代償措置』にかかわってルール違反だ。ルールを守らない政府をただすためにも中労委の役割は大切だ」(先水幹事)、「日本の公務員・国営企業労働者は、労働基本権が制約され、労使対等の交渉で労働条件が決定されない。国際的に見ても、きわめて不十分だ」(吉田幹事)などの発言が続き、最後に、郵産労の田中委員長が「公社化が国会で議論されているときに、公社化されても労働条件を後退させず、改善していくことが重要となっている」とのべ、郵産労がやむなく調停申請に踏み切ったもとで、中労委の中立・公正な判断を要請しました。
民間・公務の賃下げの流れにストップを!
  申し入れをうけて、前田事務局次長は、「申し入れがあったことは、労働委員会の委員のみなさんにかならず申し伝える。これから作業がはじまることになるので、協力かたよろしくお願いしたい」とのべました。
 今後、中労委では、調停委員会設置のもとに、労使双方からの事情聴取などがおこなわれます。今年の場合、総務省当局が有額・有率回答を示さないというきわめて異例の事態であることから、第三者機関としての中労委がどのような判断を示すのかが注目されます。
 公務労組連絡会は、この間、郵産労の賃金交渉を支援して、4月23日に緊急の「総務省前要求行動」を配置するなど、公務員賃金にも連動する国営企業労働者の賃下げを許さないためたたかいを強めてきました。
 そうしたなかにあっても、現在、竹中経済担当大臣の公務員賃金削減の発言、経済財政諮問会議における来年度予算にむけた議論、財政制度審議会の財務大臣への建議など、公務員賃金の削減をねらう動きが急浮上してきています。
 公務労組連絡会は、6月11日に人事院・政府に「夏季重点要求書」を提出し、今年の人事院勧告にむけたたたかいを本格的にスタートさせます。公務労働者の生活の改善を勝ちとり、民間・公務の賃下げの流れを私たちの手で押しとどめるために、暑い夏のたたかいに、職場や地域からの仲間たちの奮闘が求められています。
以 上