No.320
2002年4月19日
公務労組連絡会FAXニュース
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「公務職場のワークシェアリングで総務省に申し入れ
=住民サービスの向上、長時間労働の解消、公的部門の雇用拡大を求める=
 戦後最悪の失業率など雇用悪化がいっそう深刻さを増しているなか、各自治体では、独自の雇用対策の一環として、超過勤務手当の削減で予算を捻出し、臨時職員の採用にあてるワークシェアリング」がすすんでいます。
雇用を拡大するうえでは積極的な意義を持っていますが、一方で、地方公務員の賃金削減が強行されている最近の状況を考えれば、手当だけが減って、仕事の忙しさはそのままということになりかねません。
 ワークシェアリングをすすめるならば、長時間労働の解消、住民サービス向上にむけた公的部門の職員の増員などが必要です。その観点から、公務労組連絡会では、19日に総務省への申し入れを行い、関係各部局に対して必要な対応を求めました。
●超過勤務の縮減のために「対策連絡会議」を設置
 申し入れには、浜島事務局長、黒田事務局次長、吉田幹事(全教)、先水幹事(国公労連)が参加し、総務省は、人事・恩給局総務課の山石課長補佐、行政管理局定員総括の萬谷主査、自治行政局公務員部公務員課の鈴木係長が対応しました。
 「申し入れ書」を手渡しながら、浜島事務局長は、「民間企業でも、いわゆるワークシェアリングがすすんでいる。そもそもは仕事の分かち合いであり、賃金を削るためのものではないし、臨時職員など不安定雇用の拡大を目的としたものでもない。労働時間をふりむけて雇用を拡大することが世界的な流れだ。自治体でもワークシェアリングがすすんでいるもとで、国として政策を打ち出すべき」と要請の趣旨についてのべました。
 これに対して、長時間労働の解消にかかわって、人事・恩給局の山石補佐は、「公務員制度改革大綱でも超過勤務の縮減が最重要課題となっている。これにそって勤務時間管理を行っていくこととし、3月末には各省の参加による超過勤務縮減対策連絡会議を設置することを決定した。年休の計画的取得も呼びかけている」とのべましたが、「そのためにも定員を増やすことが必要だ。人も増やさず超過勤務だけ減らそうという点に大きな矛盾がある。公的部門の拡充は国民の要求でもあり、増員すべき」とせまると、「要望としてうけたまわった」とのべるにとどまりました。
 要員の問題では、行政管理局の萬谷主査は、「要請の趣旨はわかる。しかし、全体のパイの大きさが限られている。雇用対策が重要である一方、公務員に対する風当たりも強い。そのなかで、なかなか増員はむずかしい。限られた予算のなかでメリハリのある査定を心がける」とし、予算状況のきびしさのみが強調されました。
 ワークシェアリングへの対応にかかわっては、自治行政局の鈴木係長は、「各自治体の判断でやっていることであり、総務省としてどうこう言う性格の問題ではない。各自治体とも、スタートしたばかりであり、推移を見ていく必要がある」とのべ、消極的な姿勢も見られました。また、人事・恩給局の山石補佐からは、「自治体ではワークシェアリングがすすんでいるが、国では動きはない。国家公務員の場合は、情勢適応の原則をふまえ、民間の実施状況をみきわめて対応する。今後、実態を調査しながら、研究していく」とする今後の対応方向も示されました。
●意さまざまな角度から職場での議論の積み重ねを
 ワークシェアリング問題では、正式には、今回がはじめての申し入れであり、十分にかみ合った意見交換ができなかった部分もありましたが、すでに12道府県をはじめ多くの自治体で、何らかの形で「ワークシェアリング」が実施されており、賃金・労働条件や住民サービスにかかわって、十分な監視とともに、国としての必要な対策を引き続き求めていくことが重要となっています。
 そうしたもとで、職場における労働条件の点検や議論を積み重ねながら、ワークシェアリング問題をさまざまな角度から考えていく必要があります。公務労組連絡会としても、今後とも、関係機関への要請などをすすめていくこととします。
以 上