No.318
2002年4月4日
公務労組連絡会FAXニュース
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近畿公務共闘
「4・12総行動」へ賃金・公務員制度などで1日行動
= 総会開催とあわせて人事委員会への要請、人事院交渉を展開 =
 近畿公務共闘は3月27日、定期総会を開き1年間のたたかう方針を決定するとともに、午前中から大阪府・大阪市の人事委員会への要請行動、人事院近畿地方事務局交渉にとりくみました。
 これらの「1日行動」を通して、賃金や「公務員制度改革」などで要求前進を追求し、「4・12国民総行動」をはじめ春闘後半のたたかいにむけた意思統一を深めました。
公務員制度改革に危惧している〜大阪府・市の人事委員会へ要請
 午前9時30分からとりくまれた大阪府人事委員会への要請行動には、近畿公務共闘から4名が参加、人事委員会からは庄田事務局長ほか4名が対応しました。
 要請では、現在、人事院がすすめている「公務員給与水準の在り方検討」に関わる民間給与実態調査の見直しについて、新たな地域格差につながる「見直し」に反対する立場から、地域経済への影響も十分に考慮したうえで、人事委員会としての必要な対応を求めました。人事委員会側は、「民間調査の見直しは、人事院の方針であり従わざるをえない。現在、作業をすすめているが、調査する事業所の数には変更はない」と、見直し作業の進行状況について明らかにしました。その上で、「要請の趣旨はわかった。人事院の方針はあるが、地方の公務員の給与については、あくまでも地方自治の本旨をふまえて、独自性を発揮していきたい」とのべました。
 また、「公務員制度改革」について、民主的な公務員制度の確立を要請しましたが、人事委員会側は、「地方公務員制度の改革によって、人事委員会のあり方がどう変わっていくのか危惧の念を持っている。とくに、地方の人事委員会は、必要な意見を上げる手段がなく、情報も入ってこない」とし、「公務員制度改革」への率直な不安の声が出されました。
 近畿公務共闘の要請団は、このあと、午前11時から大阪市人事委員会を訪れ、大阪府と同じ趣旨で要請しました。大阪市人事委員会からは奥野給与調査係長ほかが対応しました。
民間準拠を口実に基本賃金に格差をつけるな〜人事院交渉
 午後1時30分からの人事院近畿地方事務局交渉では、春闘要求や「公務員制度改革」問題を中心に、人事院の姿勢を追及しました。人事院からは、北浦総務課長ほか2名が出席しました。
 交渉では、はじめに、昨年の給与報告で「公務員の賃金が民間の地場賃金より高い地域がある」として、給与水準の在り方検討に言及したことについて、「公務員は全国どこでも国民に対して同様のサービスをしている。地域ごとに賃金較差をつけるのは、同一労働・同一賃金の原則に反する。『民間準拠』などを口実に基本賃金に差別をもちこむな」と追及しました。
 これに対して、人事院側は、「基本賃金に格差をつけるなど、現行の賃金制度の枠を変えるようなことは検討していない。同一労働・同一賃金の原則を変えることはしない」とのべました。
 マスコミで報道されている「年度末手当の廃止」について、人事院側は、「民間企業では年度末に一時金を支給しているところは少ないが、廃止をするなどということは聞いてもいないし、そのような検討もしていない」と答えました。
 公務員の長時間労働の解消、超勤手当の不払い問題については、「人事院として最大限努力する」としつつも、「各省当局がとりくんでくれないと実効性がない」という回答に終始しました。各県の代表は、人員不足で長時間労働が蔓延している職場実態を具体的に示しながら、「人事院勧告でサービス残業の根絶をはかる法律の制定を求めるくらいの姿勢で臨め」などの強い意見が人事院に集中しました。
 「公務員制度改革」問題について、「政治主導で、特定の省庁が『裏チーム』をつくって、人事院の影響力を排除しようと、非民主的に作業がすすめられている。公務員制度の専門機関として、責任をもって対処せよ」と追及しました。
 これに対して、「人事院は公務員制度改革の抵抗勢力かとの声も聞かれるくらいだ。現行の公務員法を所管する機関として、しっかりと意見表明していきたい」と回答しました。また、公務員制度改革大綱は、地方公務員制度の「改革」まで言及しているのに、その検討段階では、地方自治体の機関からまともな意見も聞いていない実態を指摘し、「人事院としても、地方自治体からの意見を聞くように政府等の関係機関に働きかけよ」と追及すると、「要望の趣旨は伝える」と回答しました。
「4・12国民総行動」など春闘後半への決意を固めあう
 要請行動や人事院交渉を終えた後、単産・県公務共闘など約30名の出席のもと、近畿公務共闘の総会が開催されました。
 総会では、大阪労連の服部副議長をまねき、「春闘後半のたたかいにむけて〜情勢をどうきりひらくか?」と題した記念講演を受けました。講演では、パートや派遣など非正規労働者をふくめた賃金底上げのたたかいの重要性や、働くルールの確立などとりくみの重点について話がありました。また、服部副議長が最近訪れた韓国の労働者のたたかいが紹介されるなど、とても興味深い話を聞くことができました。
 総会では、医療制度改悪阻止をはじめ国民的な課題の前進にむけ、「4・12国民総行動」の成功をめざすことなどを意思統一しました。また、現在、大激戦となっている京都府知事選挙の勝利にむけて、近畿公務共闘をあげて奮闘する決意を固めあいました。
以 上