No.307
2002年1月25日
公務労組連絡会FAXニュース
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人事院の民間賃金実態調査の見直し案が明らかに

 人事院は2001年勧告で報告した「公務員給与水準の在り方の検討」にむけて、民間賃金実態調査の「見直し」を明らかにしてきました。これまで「FAXニュース」(NO.298)でも報告してきたとおり、人事院は現在、今年の賃金実態調査にむけて、事業所抽出における「グループ分け」(専門用語では「層化」)の変更を中心に作業をすすめています。
 実態調査が人事院と地方人事委員会(全国で62)との共同作業となることから、昨年12月には各都道府県・政令指定都市などの人事委員会の担当者を集め、協力を要請してきたところですが、このほど、事業所を企業規模や産業別に「層化」するうえでの基本方針を以下のとおりとりまとめ、地方人事委員会に示したことを明らかにしました。
●具体的な「層化」の基本(グループの分け方)
1、特定産業
  「教育」「医療」「研究」「水運業」を特定産業とし、他の産業とは切り離して個別のグループをつくる。
2、組織別
  本店・支店の違いでグループ分けする。
3、企業規模別
  企業規模500人以上と500人未満でグループを分ける。ただし、これでグループ分けした結果、そのグループの事業所数が多くなった場合は、企業規模を従業員数で細かく区切り、さらに小さなグループをつくる。
4、産業別
  3で分けた同一企業規模の中に、相当数の事業所を有する産業がある場合は、必要に応じて別にその産業のグループ(たとえば製造業だけのグループ)をつくる。
 
地方人事委員会への「申し入れ」などのとりくみ強化を
 
 人事院は、1月29日に地方人事委員会の担当者を集め、上記の手順にもとづき、具体的な「層化」にむけた個別協議を予定しています。これをうけて、2月上旬には実態調査の対象企業の全国的な「層化」を確定したいとしています。
 公務労組連絡会は、昨年の勧告以来、一方的な「見直し」を許さないため、人事院交渉などをすすめてきました。また、現在、地方人事委員会への「申し入れ」行動を提起し、各単産の地方組織や、地方公務共闘などを中心にしてとりくみをすすめています。
 今回の「グループ分け」の変更が、民間賃金実態調査にどのような影響を与えるかは、現時点では明らかではありませんが、もともとは「公務員賃金は高い」との指摘からはじまった「見直し」であることからも、今後の動向について中央・地方での十分な監視が必要となっています。
 公務労組連絡会では、賃金改善など2002年春闘の諸要求と結合させ、人事院交渉をはじめとしたとりくみを強めていきます。
以 上
以 上