No.306 2001年12月25日 |
公務労組連絡会FAXニュース | ||||||
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小泉内閣は、本日(25日)午前10時より行革推進本部、10時30分から閣議を開き、「公務員制度改革大綱」を閣議決定しました。 すでに公務労組連絡会との交渉でも明らかにしてきたように、政府は、労働基本権の回復という私たちの最重点要求には背をむけ、「大綱」のなかで、「公務員の労働基本権の制約については、今後もこれに代わる相応の措置を確保しつつ、現行の制約を維持する」との検討結果を盛り込みました。 「信賞必罰」の能力・業績主義を強化した任用・給与制度、新たな評価制度の導入、政官財の癒着を温存する「天下り」の自由化など、国民の願いに逆行する「改革」は、とうてい認められるものではありません。公務労組連絡会幹事会では、ただちに「声明」(別記)を発表し、引き続くたたかいに全力をあげる決意を内外に明らかにしました。 不当な「大綱」決定に抗議しつつ、今後とも、民主的な公務員制度の確立をめざして、職場・地域からの奮闘を呼びかけます。 |
= 労働者・国民に犠牲をせまる逆立ちした「改革」に断固反対する =
「公務員制度改革大綱」の閣議決定にあたって(声明)
1、本日、小泉内閣は、「公務員制度改革大綱」を閣議決定した。公務労組連絡会は、労働基本権を引き続き制約しながら、能力・業績主義にもとづく「信賞必罰」の人事制度を持ち込み、特権官僚制度を強化し、「天下り」を自由化する「公務員制度改革大綱」の決定強行に断固抗議するものである。
「大綱」は、昨年12月の「行政改革大綱」にもとづき、3月の「大枠」、6月の「基本設計」を経て決定したものである。政府は今後、「大綱」にもとづく国家公務員法と地方公務員法を平成15(2003)年中を目標に国会に提出し、関連法整備を平成17(2005年)年末までに終え、平成18(2006)年度を目途に「新たな制度」に移行するとしている。
2、「大綱」は、その内容はもとより、決定までの手続きにかかわっても、とうてい認めることができない。
第1に、われわれが最重点要求として繰り返し求めてきた労働基本権の回復の要求に対し、「労働基本権の制約維持」とする「ゼロ回答」を政府が突きつけてきたことである。とりわけ、「第三者機関」としての人事院の役割が縮小され、各省大臣による人事管理権限が強化されるもとで、労働基本権の回復にむけた検討は不可避となっていた。それにもかかわらず、その検討過程では、政府が、憲法を遵守する立場にありながら、28条の労働基本権の保障をないがしろにし、もっぱら与党の議論にゆだね、労働組合との協議もないまま、最終段階で突然、「制約維持」とした原案を公務労組連絡会などに示してきた。このことは、ILO総会の場における政府の「誠実に交渉・協議をおこなう」とした公約を投げ捨てる行為であり、国際社会からも厳しく糾弾されるものである。
第2に、国民のいのちとくらしを守る行政体制の確立、相次ぐ不祥事や腐敗事件の根絶という国民の願いには応えようともしないことである。「大綱」は、「国民本位の行政」を実現するには「公務員自身の意識・行動の改革」をはかることが不可欠であるとし、そのためには「互いに競い合い」、能力を「最大限に発揮し得る」制度が必要だとして、「能力等級制度」や能力・業績反映の給与制度をめざしている。その一方で、国家公務員T種試験採用者のための「本府省幹部候補職員養成制度」を創設し、特権キャリアの合法化をねらっている。さらに、「天下り」に対しては、人事院の規制を外して基本的に「自由化」しようとしている。これらの人事制度は、公正・中立で民主的な行政体制を突き崩すものであり、行政サービスにも重大な影響がおよぶことは明らかである。
第3に、「国家戦略スタッフ」の創設にみられるように、時の政権与党が政治的に任用した者を組織し、財界・大企業の要求にもとづく「国家的重要政策」の立案が打ちだされていることである。まさに、政治主導によって、公務員を「全体の奉仕者」から政権党のために働く「一部の奉仕者」にする「公務員制度改悪」にほかならない。
3、公務労組連絡会は、全労連「公務員制度改革」対策本部とともに、国民・住民のくらしを支える行政を担う民主的公務員制度の確立をめざして、広く国民世論に訴えながら、署名の結集と中央行動を展開するなど全力をあげてきた。また、全労連「対策本部」に結集して、憲法にもとづく民主的公務員制度の確立の要求を掲げて、諸団体との懇談をすすめ、貴重な意見を集約してきた。引き続き、広範な国民・住民の意見と要求を積み上げ、政府や国会を包囲していくものである。
とりわけ、「公務員制度改革」が、小泉「構造改革」の柱に位置づけられることから、国民の「雇用」「くらし」「いのち」を守る行政・地方自治の確立、未来をつくる子どもたちのための民主的教育の実現などの課題とも一体で、広範な人たちとの「対話と共同」をひろげるために奮闘する決意である。
4、政府の攻撃が強まるほど、たたかいは大きく前進する。そしてそれは、われわれが主体的に打って出て共同を前進させる立場に立ってこそ可能となる。過去最高の5千人が参加した「11・30中央行動」や、「12・19全国統一行動」への結集などで示された仲間たちの強い怒りは、共同の発展と職場に渦巻くたたかいのエネルギーを証明している。公務労組連絡会は、この間、一方的な「大綱」決定を許さないため、職場・地域からたたかってきた仲間のみなさんの奮闘にあらためて敬意を表するものである。
2002年春闘は目前に迫っている。行政や地方自治、教育、そして公務労働者のあるべき姿をリアルに語り、労働者・国民諸階層との共同を大きく前進させ、はたらくルールの確立や、いのちとくらしを守る課題とも結びつけ、国民犠牲の悪政の根源となっている小泉「改革」を許さない国民的たたかいに総結集していくことが求められている。そうしたたたかいの前進にむけ、公務労組連絡会として総力をあげるものである。
2001年12月25日
公務労組連絡会幹事会
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