No.304 2001年12月18日 |
公務労組連絡会FAXニュース | ||||||
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政府・行革推進事務局は18日夜、公務労組連絡会に対して、「公務員制度改革大綱(仮称)」の「原案」を提示してきました。これは、12月12日に示した「原案」のうち、その際に残されていた「労働基本権の取り扱い」と「再就職ルール(天下り)」、さらには、「改革にむけた今後の取組(スケジュール)」などをつけ加えた内容となっています。 とりわけ看過できないのは、「改革の基本理念」に加えられた労働基本権の取り扱いで、「原案」には、「公務の安定的・継続的な運営の確保の観点、国民生活へ与える影響の観点などを勘案」して、公務員の労働基本権は「現行の制約を維持する」との内容が盛り込まれていることです。 労働基本権の回復を求めた公務労組連絡会などの要求には背をむけ、労働基本権の制約をそのままにした「改革」は、断じて認められせん。労働基本権問題をふくめた「原案」提示というあらたな局面をむかえ、労働組合とのまともな交渉・協議もないまま、一方的な「大綱」決定を許さないために、明日(19日)の「全国統一行動」で職場の怒りを示していくことが求められています。公務労組連絡会として、引き続き、政府・行革推進事務局への追及を強めていきます。 |
●来週25日に「大綱」を閣議決定したい
「原案」提示にあたって、公務労組連絡会は、浜島事務局長、松本幹事(公務員制度対策委員会委員長)、黒田事務局次長が推進事務局の説明を受けました。行革推進事務局からは、公務員制度等改革推進室の渡辺参事官補佐が対応しました。
渡辺補佐は、内容を説明しながら「原案の内容については、現在、各府省や与党に意見照会しており、それが終われば、『大綱(仮称)』として閣議決定する」とし、決定は今月25日が「有力」としました。
これに対して、浜島事務局長は、「『原案』の性格をうかがいたい。今後、『原案』を土台に、労働組合と交渉・協議したうえで決定されるのか?とくに労働基本権の制約を維持するというのは、われわれの要求とまったく反するものであり重大だ。はじめて示されたものであり、どういう議論経過をたどって結論が出されたのか明らかにせよ」と、労働組合とのまともな協議もなく突然出された「労働基本権制約の維持」という結論について問いただしました。
渡辺補佐は、「最終の『原案』については、労働組合とも協議したうえ行革推進本部(閣僚で構成)で決定する。今週中に意見をまとめる。労働基本権問題は、政府・与党とともに議論してきた結果だ」と回答しました。
●労働組合の意見はそっちのけで与党の議論を優先
推進事務局がのべたこの経過にこそ重大な問題を指摘できます。公務労組連絡会をはじめ労働組合には、労働基本権問題でまともな「交渉・協議」もなく、もっぱら「与党の議論待ち」として、時間を引き延ばしながら、最終局面になって、すでに決まったかのように「原案」に「労働基本権制約の維持」を盛り込んだことは、「新人事制度」が、労働基本権制約の「代償措置」としての人事院の役割を縮小し、各省大臣の権限を強化する点からも、二重にも三重にも憲法で保障された基本的人権をふみにじるものであることは明らかです。
しかも、「政府・与党とともに議論した結果」などと言い放つ推進事務局の態度からは、労働組合との「誠実な交渉・協議」というILO総会での「国際公約」を守ろうとする姿勢は見あたりません。
松本幹事(公務員制度対策委員長)は、「ILOでの政府の約束がある。このまま決定は許されない。その後も、交渉・協議を続けるとしても、大きな枠組みが閣議決定されれば、それにしばられることになる」と追及しましたが、「今後、制度設計をすすめるなかで、みなさんの意見で取り入れられるものは取り入れる」などとのべました。
●労働基本権問題であらためて交渉の場を設けよ
「改革に向けた今後の取組」の項では、「地方公務員の改革及びスケジュール」として、「国家公務員制度の改革に準じ、所要の改革を行う」とし、「国家公務員法改正と同時期に地方公務員法の所要の改正を行う」とのスケジュールが示されています。
これに対して、松本幹事は、「すべてを国に準じることは認められない。あくまでも地方自治の本旨を重視した検討こそ必要だ」と追及しました。
最後に、浜島事務局長は、「労働基本権問題への言及ははじめてであり、これから交渉・協議がはじまるという立場をきちんと明らかにせよ。そうした手順も合意もなく、25日に閣議決定するなど断じて認められない。今日は説明をうけただけにとどめておく」とし、後日、あらためて交渉の場を設けるよう強く求めました。
以 上
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