No.303 2001年12月14日 |
公務労組連絡会FAXニュース | ||||||
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雇用・賃金解体をはかる
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「公務員制度改革大綱」作業は中止せよ!
公務労組連絡会が緊急の申し入れ
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公務労組連絡会は、12日、政府・行革推進事務局から提示された「公務員制度改革大綱」の原案なるものと与党内での検討報道の動きをうけ、13日、政府・推進事務局に別紙の「緊急申し入れ」をおこない、14日早朝、交渉を実施しました。交渉には、松村副議長と浜島事務局長でおこない、推進事務局から谷内企画官、渡辺企画官補佐、佐藤係長が対応しました。 |
基本権問題等で案を示さないのは行政の責任放棄(松村副議長)
松村副議長は、「申し入れ」にあたり、公務員労働者の労働基本権問題が当該労働者・組合に何ら示されず、政権与党の議論に任せていることは三権分立における行政としての責任を果たしていないことを厳しく指摘するとともに、ただちに具体案を示すことを求めました。とくに、「労働基本権は現状維持」とする内容の報道が行われていることに強く抗議するとともに、政権与党との協議優先の「大綱」策定作業を中止するよう強く求めました。
また、浜島事務局長は、これまでの交渉・協議の経過をふまえて@公務員労働者の労働条件決定システムに関する労働基本権問題を労働組合との「交渉・協議」とせず、与党協議を優先していることは、「誠実な交渉・協議」をおこなうとした国際公約を反故にするに等しいA労働条件決定システムの変更と労働基本権問題は「パラレルな関係」との国会審議における政府・人事院の共通認識からも、労働基本権制約の見直しをおこなうことは当然Bこれまでの交渉・協議のなかで、労働基本権問題の提案を早期に行うと何度も約束してきたことなどを指摘し、事務局としての「労働基本権見直しの原案」を示すよう求めました。
新聞報道「100%否定」、早期に政府原案を示したい(谷内企画官)
これに対し谷内企画官は、12月の「大綱」決定スケジュールに「変更がない」ことを表明するとともに、「一部の報道で大綱要旨に労働基本権問題で具体的方向が盛り込まれるような報道がされているが、そのような確認・決定は政府・事務局として一切おこなっていない。報道内容は100%否定しておく」と述べた。また、「天下り問題」、「労働基本権問題」などについて現在、政府・事務局として「何も決めていない」し「何も示していない」としたうえで、「今日、明日ではないが、早期に原案を示したい」との従来からの回答を繰り返した。
また、政権与党との関係について、「行政として国民の代表であり、政権与党との協議を行うことは議員内閣制のもとで重要である」との見解を示しました。これに対し松村副議長は、「政党との協議を否定するものではないが、労使関係にある労働者・労働組合との交渉・協議を軽視してよいことにはならない」と指摘し、労使協議を優先して具体案の作成をおこなっていくことが労働条件決定の民主的手続きであることを強調しました。
最後に、労働基本権の回復にむけて労働組合との交渉・協議をただちに開始することを求め、そのために事務局原案の提示を再度追求しました。そして、具体的提示のないままでの「大綱」作業の中止を求めました。これに対し、「基本権問題など懸案の課題について早急に原案を作成し、大綱全体の原案を来週早々にも出せるよう努力したい」と答えました。
17日の週にも「大綱」原案、12・19全国統一行動で追いつめよう
交渉の結果明らかになってきたように、12月17日の週にも推進事務局から「大綱」原案の全体が提示される情勢となり、12・19全国統一行動を成功させることは一層重要となってきました。とくに「大綱」原案が、公務員労働者の労働基本権を制約したままで「能力・業績主義賃金制度の導入をはかるなど、公務労働者の労働条件切り下げ、権利抑圧をはかるとともに、天下りの「自由化」、キャリヤ優遇制度強化など特権的官僚制度を拡充し、政・官・財ゆ着体質をつよめるものになることが明らかになりつつあります。国民の「いのち」と「くらし」、「平和」を破壊する悪政の推進者とする公務員制度改悪を許さない公務労働者の声を総結集し、政府・行革事務局を追いつめ、民主的公務員制度の確立にむけて前進させましょう。
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(資料) 2001年12月13日 行政改革担当大臣 石原 伸晃 様 公務労組連絡会 議長 駒場 忠親 「公務員制度改革大綱」の作業中止を求める緊急申し入れ 行革推進事務局は、12月12日、「公務員制度改革大綱の原案(部分)」なるものを公務労組連絡会に提示してきました。示された原案は、「新人事制度の原案」にもとづく能力・業績主義人事管理制度や官民交流、国家戦略スタッフの創設などに言及しているものの、争点の天下り禁止や労働基本権問題、今後の日程が全く書き込まれていない「大綱原案の一部」(事務局)とされるもので、極めて異例の提示といえます。 その内容は、「能力等級制度」にもとづく賃金決定制度の導入、「本府省幹部候補職員育成制度」の創設などにみられるように、公務員労働者と国民が求めてきた公正な行政の確保、金権・腐敗・汚職の一掃などといった公務員制度改革とまったく相反するもので、私たちが再三にわたって再検討を求めてきたことを無視しており、到底認めることができません。 とりわけ、公務員労働者の労働条件決定システムの変更をはかりながら、労働基本権の回復について一切明らかにしていない不当なものです。このような「大綱原案」は、当該労働組合として絶対に容認できるものではありません。しかも政府は、使用者として労働組合と基本権問題でまったく協議せず、何ら合意に達していないにもかかわらず、与党との協議を優先させ、「労働基本権制約の現状を維持」とする意向がマスコミ報道で伝えられています。これは、ILOの場での職員団体と「誠実に交渉・協議」を行うとした政府公約を自らふみにじるものであり、断じて容認できません。 以上のことから12月「大綱」決定を延期し、白紙から交渉・協議を行い、合意にもとづき検討作業を進めるよう、下記のことを強く申し入れるものです。 記 1、労働組合との交渉・協議をつくさない「公務員制度改革大綱」作成作業はただちに中止すること。また、労働基本権の回復に向けた労使協議を即時開始すること。 2、国民の「いのち」と「くらし」を支える公務サービスが安定的に提供できる民主的公務員制度を確立すること。 以 上 |