No.302
2001年12月3日
公務労組連絡会FAXニュース
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5000人の気持ちひとつに政府を包囲

= 公務労組連絡会が秋季年末闘争11・30第2次中央行動を展開 =


 過去最高の5千人の仲間が集まった「11・30第2次中央行動」では、総務省・文部科学省・行革推進事務局への要求行動、総決起集会・デモ、国会議員要請行動、さらには、 人事院・行革推進事務局に対する要請行動など、さまざまな行動がとりくまれました。
 行動の成功は、参加者の確信となり、政府による国民犠牲の「公務員制度改革」強行を許さないたたかいでの大きな到達点を築きました。
 参加された仲間のみなさん、そして、仲間を送り出すために職場で支えてきたみなさんの奮闘に対して、あらためて心から敬意を表します。いよいよ正念場をむかえるたたかいに、ともにがんばりましょう。

人・人・人で埋めつくされた総務省前行動


 中央行動は、昼休み時間帯に同時にとりくまれた総務省・文部科学省・行革推進事務局前の要求行動でスタートしました。
 この日、東京は、昼過ぎには青空が広がるぽかぽかと暖かい小春日和となり、少し動くと汗ばむほどの陽気です。
 総務省前では、すでに12時前から、貸し切りバスでかけつけた静岡や宮城の上京団が到着し、その後も、ぞくぞくと各地から仲間たちが行動へ駆けつけてきました。これに霞ヶ関ではたらく組合員も加わり、総務省前がたくさんの人で埋め尽くされたころ、公務労組連絡会高坂事務局次長の進行によって要求行動がはじまりました。
 主催者あいさつした公務労組連絡会堀口副議長(国公労連委員長・全労連公務員制度改革対策本部副本部長)は、「勝手気ままに公務員を評価し、無権利状態に追い込む政府の『公務員制度改革』は断じて許せない。公務員制度の改悪は、国民生活に直結する。小泉内閣による悪政推進の担い手になることを、公務労働者として断固拒否しよう。いきいきと働くことのできる職場をつくろう」といっそうの奮闘を訴えました。
 参加者の決意表明では、「全運輸1000人の仲間がここに来ている。上ばかり見る公務員には絶対なりたくない。公務員制度改悪を阻止するためがんばる」(国公労連全運輸・村上さん)、「県教育委員会は、教師を5段階にランク付ける新たな勤評制度をねらっている。教員と子どもを競争に巻き込み、教育をゆがめる制度改悪を許さないために奮闘する」(全教香川県教組・平尾さん)、「職員間の競争強化で、ダイレクトメール汚職など犯罪をうみだす職場となっている。この間、100名も逮捕者がでている。国民のための郵便局めざしてとりくみを強める」(郵産労・砂山さん)、「公務労働者が安心して働ける条件と権利がなければ、国民へのサービス提供はできない。民間という立場だが、ともに奮闘したい」(福祉保育労・桑本さん)、「現場では心身ともに疲れ果てながらも、地域の要求を心の中に持ちながら働いている。地域住民のためになる自治体労働者をめざす」(自治労連新居浜市職・木田原さん)など、それぞれの立場から5名がつぎつぎと力強く発言しました。
 国公労連井上書記のリードによる総務省へのシュプレヒコールで、4千名をこえる仲間たちの怒濤のような怒りの声が、霞ヶ関のビルの間にこだましました。

赤紙を配る職員にはなりたくない!行革推進事務局前行動


 400名が集まった行政改革推進事務局前の行動は、公務労組連絡会岸田幹事の司会ですすめられました。
 主催者あいさつした、全労連熊谷副議長(全労連公務員制度改革対策副本部長)は、「失業率が5.4%という現実に、行政がどう応えていくのかが問われている。しかし、小泉内閣は、リストラ推進を支援し、医療や福祉の改悪を押しつけている。国民のいのちのくらしを守る最前線で働く公務労働者の働きがいをうばうものだ。労働基本権をうばっておきながら、労働条件の一方的な不利益変更は、民間企業はもとより、世界でも通用しない。今日の行動で流れを大きく変えよう」と主催者あいさつしました。
 決意表明では、「やっぱり、平和と憲法。市民の方を向いて仕事がしたい。赤紙を配るような自治体職員には絶対ならない決意でがんばりたい」(自治労連名古屋市職・海老原さん)、「いまこそ働くルールを官民で確立するときだ。職場では、8割の管理者が、公平な評価などできない、職場は混乱すると言っている。安心して業務に専念できる職場を作るために奮闘する」(国公労連全経済・泉部さん)、「特殊法人の民営化・廃止がうちだされたが、住宅問題は政府の仕事ではなくなったのか。会社をおわれてリストラされローンが払えなくなった人は、どこに住めと言うのか。全力で奮闘する」(特殊法人労連都市労・竹内さん)、「医療費は3割にし、商店も自営業者も税金で苦しめる。何でもとれる物はとる。公務員制度改革は、そういう仕事をさせる公務員をつくるということで、国民的にも許されない」(自治労連・松本さん)など、たたかう決意が示されました。
 最後に、大阪府職労の川津さんのリードでシュプレヒコールを行革推進事務局にぶつけ、行動を終えました。

憲法と教育基本法を学校と職場に生かせ [文部科学省前]


 文部科学省前の行動は、全教を中心にとりくまれました。公務労組連絡会大橋幹事の進行により、はじめに、公務労組連絡会松村副議長(全教委員長・全労連公務員制度改革対策本部副本部長)が主催者あいさつし、「公務員制度と教育基本法の改悪によって、教育も公務も国民から切り離し、政府の意のままに動かそうとしている。地域住民、子どもたちの学校をつくっていくために、大きく共同をひろげよう」とのべ、教育基本法の改悪にふみだした政府・文部科学省当局に怒りを示しました。
 全教長谷川副委員長の闘争報告では、教育基本法をめぐる情勢の特徴や自衛隊派兵問題にふれ、「教育基本法にもとづく職場づくりをすすめ、憲法と教育基本法を学校と教育現場に生かせの声を巻きおこそう」と参加者に呼びかけました。
 その後、各地の代表からたたかう決意がのべられました。「東京都の主幹制が導入されれば、教職員が分断され、職場の管理・統制がいっそうすすみ、学校・教育が破壊される」「不況で、経済的に困っている子がたくさん定時制に通ってきている。文部科学省の政策では、この子たちへの援助はできない。政府は責任を果たせ」「経済的理由で退学に追い込まれる子どもたちが増えている。政府は、不況から子どもたちを守れ」「自衛隊の基地がある舞鶴では、テロ事件以降、家庭や地域に重大な影響が表れている。子どもたちを戦場に送るな!」などの発言を通して、子どもたちにまで犠牲と負担を強めている現実を明らかにしました。

政府の「公務員制度改革」には道理なし [総決起集会]


 3つの行動を終えた参加者は、日比谷公園野外音楽堂で開かれる「民主的公務員制度確立11・30中央総決起集会」(公務労組連絡会・全労連公務員制度改革対策本部の共催)に合流しました。
 会場には、色とりどりの組合旗や、百姓一揆をイメージして「カエセ労働基本権!」「ストップ天下り」と書かれたムシロ旗などが林立し、野外音楽堂はぎっしりと埋まり、席に座りきれずに「立ち見」の参加者も出るほどです。開会前のステージでは、「アンサンブル・ブリランテ」の金管5重奏による「聖者の行進」などの音楽が演奏され、参加者を元気づけます。
 熱気のなかで、公務労組連絡会浜島事務局長と自治労連本部婦人部長の小原さんの司会で、決起集会はスタートしました。
 主催者あいさつした全労連公務員制度改革対策本部の坂内本部長(全労連事務局長)は、「政府の『公務員制度改革』には、必要性も、道理も、積極面もない。改革するというのなら、まず労働基本権を返すのが当たり前。それを実行しようとしないことにも、政府いいなりの公務員づくりであることが露見している。すべての国民に関わる問題との立場で、全労連の最重要課題として奮闘する」と、たたかう決意をのべました。
 来賓として駆けつけた日本共産党の宮本岳志参議院議員が、この間の国会審議のやりとりを紹介しながら、「現行制度のもとでは、代償措置としての人事院の機能を弱めるならば、労働基本権の回復が必要なことを片山総務大臣もしぶしぶ認めざるをえなかった。民間では、労使交渉で労働条件を決めるのが当然のルール。論戦の到達点に立ち、これからも、国会の内外でともに手をたずさえてがんばろう」と、参加者にメッセージを送りました。
 自交総連や通信労組、全印総連の仲間をバックに、民間労組を代表してあいさつしたJMIUの三木書記次長は、「ユニクロやマクドナルドなど安売り競争のなかで、もっとも買いたたかれているのは人間だ。競争原理は、職場や生活、経営を破壊する。そのことからも、公務員制度改革は見過ごせない重大な問題だ。官民一体でたたかおう」と決意をのべました。全労連公務員制度改革対策本部尾張部(おわりべ)事務局長の闘争報告では、「公務員制度改革」の本質、攻撃の特徴、この間のたたかいなどについてのべられました。

●5単産の趣向こらした決意表明で会場が盛り上がる

 その後、ステージは、5単産によるユニークな決意表明へとつづきました。横断幕を両脇にしたがえて登場したのは自治労連の三宅書記長。「賃金確定闘争では、人勧上回る目標かかげ前進かちとるため奮闘する。公務員制度のたたかいでは、構造改革とむすびつけて、住民とともにたたかいたい」と決意表明しました。全教は、女性4人の代表ががかわるがわる発言し、教育基本法改悪の動き、「公務員制度改革」を先取りした都教組、30人学級を求める3000万署名の教訓、テロや平和の問題でアンケートにとりくんだ京都の高校生たちなど、職場や地域の活動が生き生きと報告され、最後に、「公務員制度改悪反対!子どもたちに豊かな未来を送りましょう!」と声を合わせ、元気にしめくくりました。
 特殊法人労連を代表して決意表明した育英労の広田副委員長からは、特殊法人「改革」によってねらわれる日本育英会廃止に反対してたたかう決意がのべられ、郵産労の広岡書記長は、郵政公社化を前にした「合理化」が強まる職場実態が報告されました。
 最後は、この日、各地から3800名が参加した国公労連から小田川書記長が発言、各県国公の代表をバックに、「政治家の権力争いのために、労働者の権利を私物化することに怒りを感じる。黙っていては、国民の信頼は勝ち取れない。不当な『大綱』決定を許さないためにたたかおう」と力強く決意をのべました。
 こうした決意表明をうけ、大石内蔵助に扮した国公労連山瀬副委員長のパフォーマンスで笛に合わせて全員でシュプレヒコール、その後、全教本部の朝岡さんが「集会アピール」を提案、全員の拍手で確認しました。
 最後は、公務労組連絡会駒場議長(全労連公務員制度改革対策本部副本部長)が、「5000人が集まったのは公務労組連絡会はじまって以来のこと。この成功を確信にしてがんばろう」と閉会挨拶し、満場の参加者による団結ガンバロウで決起集会の幕を閉じました。
 参加者は、集会終了後、「アンサンブル・ブリランテ」の演奏に送り出されて、国会と行革推進事務局へと二手に分かれて、元気よくデモ行進に出発しました。
                                        以 上

集会に参加されたみなさん、たいへんごくろうさまでした。