No.293 2001年11月12日 |
公務労組連絡会FAXニュース | ||||||
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育児休業・介護休暇の「改正」法案を衆議院総務委員会で採択
=政府答弁、民間準拠をタテに、更なる改善を拒否=
11月8日(木)午後1時40分から、衆議院総務委員会において、「国家公務員の育児休業等に関する法律及び一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の一部を改正する法律案」(別紙「法案要綱」添付)の審議が行なわれました。各野党とも「所得保障と代替措置、非常勤への適用、男性の取得の少なさ」を一致して追及しました。 衆議院総務委員会は、与党三党が質問を「放棄」するなかで、野党5名が質問にたち民主党50分、自由、共産、社民がそれぞれ25分、政府に対する質問をしました。 中村 哲男(民主):男性の取得率の低さについて実態とその理由の調査をすること。公務員が国民への奉仕者というなら超勤の実態に目を向け、公務の男女が自分の生活も大切にすることが必要。常勤にちかい非常勤を対象にし、その実態も調査すべき。子どもの看護休暇に対する公務の検討状況は?育児・介護の代替要員はどうなっているか? 田並 胤明(民主):今回は大幅な改正で一歩前進と評価。3歳未満に延長することによる経済的支援を公務が民間に先がけて努力をしてもよいのではないか。介護は取得者が少ないのだから、経済負担もできるのではないか。離職状況から女性の途中退職が多い、男女共同参画社会の理念から男性の育休取得の促進をはかること。子どもの看護休暇の具体的な検討内容はどうなっているか。 黄田川 徹(自由):両立支援の重要な一環、法案の基本的考え方とその他の施策は何か、代替要員確保、任期付きの理由は?エンゼルプランの進捗状況は? 矢島 恒夫(共産):民間準拠ではなく、共同参画社会を政府がめざしているのだから、率先して公務で実現をはかるべき。所得保障はILO165号勧告でもヨーロッパ諸国でも保障している。掛け金の免除措置も延長してほしいと職場から声がある。代替要員確保でとりわけ専門性の高い職種で予備要員の確保をすること。今回の任期付き任用は育休に限定しているのか?不利益扱いを禁止すること。 重野 安正(社民):男性の取得が低いことに対する評価は?所得保障に対する考え方は?少子化に歯止めをかける政策転換が必要。公務員制度改革で評価制度の導入が検討されているが、この制度が安心して取得できるのか懸念。 こうした質問に対し答弁にたった片山総務大臣は、男性の育児休業の取得率の低さに「数字を聞いていてビックリした。男性も育休を取れることを知らなかったのかな〜。」所得保障については「公務員は民間準拠、先憂後楽が一番良い。」超勤問題では「全体の能率を良くするため見直しが必要と思う。」非常勤の問題は「予算執行の問題であり関係大臣と相談する。」などと答え、法案の問題点を真剣に受けとめる姿勢が見えませんでした。非常勤問題で人事院は「実態は各省が必要に応じてやっている。」代替要員では「介護については取得状況を見て考える。」所得保障では「ほとんどの諸外国は無給、基本的に民間準拠、民間法の改正を働きかけてほしい。」等々人事院も消極的な回答に終始しました。 委員会は、各党の質問が終了したところで日本共産党から、「所得の60%補償、臨時・非常勤職員への法の適用、育休等を取得したことへの不利益措置をとらないことの明記、育休後などの職員の意向を考慮した、原職復帰など」の修正案の提案がありました。その後採決に入り、修正案が否決され、原案が可決されました。質疑の時間はわずか2時間5分でした。 法案は、今後衆議院本会議をへて参議院審議へ送られ、11月下旬にも成立する見込です。 政府及び人事院は、次の事項について適切な措置を講ずること。 一 職業生活と家庭生活の両立支援という法の実効性を確保するため、民間企業における実態等を踏まえつつ、介護を行う者の経済的援助の在り方について、引き続き検討を行うこと。 一 男性の育児休業取得促進について調査研究を行い、有効な措置を講ずること。
以 上
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