No.290
2001年11月6日
公務労組連絡会FAXニュース
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本日、「行政職に関する新人事制度の原案」を提示

〜「労働基本権」には全くふれず〜


 行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室は本日、12月を目途に策定する「公務員制度改革大綱」にむけた「行政職に関する新人事制度の原案」(別紙・「ポイント」参照) を公務労組連絡会に提示してきました。この「行政職に関する新人事制度の原案」は、本年6月29日に決定した「公務員制度改革の基本設計」に則ってすすめてきた検討を踏まえ、 国家公務員のうち主に一般行政職(行一対象職員)について、新たな人事制度を導入するために、その具体的な内容を示し、各府省や労働組合等との意見交換を行うことを目的として事務局がとりまとめたものです。
 提示された「新人事制度の原案」は、能力等級制度を基本とした任用・給与決定システムを導入し、人事院の機能を低め、各府省に任用・格付け権限を与えるもので、公務労働者の労働条件決定制度を大幅に変更するものです。しかし、事務局は、公務労働者の労働基本権の在り方は「検討中で答えられない」と何ら明らかにしようとしていません。
 提示にあたって公務労組連絡会からは浜島事務局長と黒田事務局次長が対応し、推進事務局より渡辺参事官補佐、佐藤係長が応対しました。


労働基本権回復に言及せず、労働条件を悪化させる「やらずぼったくり」の姿勢を厳しく批判

 まず、「新人事制度の原案」の基本的な性格について質したのに対し渡辺参事官補佐は、『9月の「新人事制度の基本構造」に対する職員団体はじめ各方面の意見をふまえ、事務局が12月に予定する「大綱」に盛り込む「新人事制度」の具体案であり、今後みなさんをはじめ関係各方面の交渉・協議をおこない、まとめていくことになる』と説明した。

 また、「大綱」にむけどのような案件が提起されてくるのかを問いただしたところ、「基本設計で示された官民交流、天下り、勤務時間、採用制度などが予定される」とし、「できるだけ早く出したいが期日を限定できない」と回答した。

 浜島事務局長は、このままでは、中心課題である「労働基本権」回復の明示がされないまま「信賞必罰」の人事制度が強行され、公務労働者の権利はいっそう剥奪される時代錯誤の「改革」となることを厳しく指摘し、早急に交渉を行い、公務員に労働基本権を付与する課題での政府の政策を示すようつよく求めた。また、ILO総会で公約した「誠意ある交渉・協議」についてもこの間のやりとりが今回の「新人事制度の原案」に充分反映されていないことを指摘し、交渉・協議を行うのであれば「双方の合意」にもとづき物事をすすめることが近代社会の当然の労使関係であることを厳しく追及しました。

 

労使合意のない「改革」は許さない

 今後の交渉・協議にあったっては、一方的な進行は許されないことを強調し、誠意ある対応を求めました。これに対しては、「ひきつづき職員団体と誠意をもって交渉・協議に応ずる」ことを約束するとともに、「すべて組合との交渉・協議にもとづく合意がなければ動けないというこうではない」と強行する姿勢を示しました。

 こうした対応に対し、公務労組連絡会として職場からの怒りと、国民のための公務員制度確立を求める世論結集を結集し、政府の不当な態度を糾明する行動を構えていることを表明して交渉を締め括りました。、

 

 

【参考】

「行政職に関する新人事制度の原案」の大項目

1、新人事制度の趣旨

2、能力等級制度

3、新任用制度

4、給与制度

5、評価制度

6、人材育成

7、本府省幹部候補職員集中育成制度

8、組織目標・行動規準

9、上級幹部職員の人事制度