政府は本日、「国家公務員の育児休業等に関する法律及び一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。
法案は、2001年勧告における人事院の「意見の申出」と勧告をふまえ、@育児休業・部分休業の対象となる子の年齢を3歳未満まで引き上げる、A代替要員の確保のために任期付採用を行う、B介護休暇期間を現行の3か月から6か月に延長することなどが中心となっています。
これによって、切実な要求となっていた育児休業・介護休暇の改善は、法案の提出・審議をへて、開催中の第153臨時国会で実現することとなりました。ねばり強いたたかいの成果です。
公務労組連絡会は、本日16時30分より総務庁交渉を実施し、法案の内容について説明を受けるとともに、休暇取得者の所得保障について、国・自治体の責任でおこなうよう重ねて強く求めました。
総務省交渉には、公務労組連絡会から浜島事務局長、黒田・高坂両事務局次長が出席、総務省側は人事・恩給局総務課山石課長補佐、辻係長が対応しました。
山石課長補佐は、法案の内容(別記)について説明し、今国会で審議し、できるだけ早い成立を期待しているとのべました。
また、休暇取得者の所得保障は、「共済短期からの育児休業手当金等については、民間の制度が延長されないことから、今回は満1歳のままで延長を見送る」との趣旨にもとづき、育児休業手当金の支給期間を「育児休業に係る子が1歳に達する日までの期間」と期限をつけた国家公務員共済組合法「改正」案も国会に提出されます。
このことについては、すでに総務省・財務省の検討方向が明らかになるもとで、公務労組連絡会として、この間、「国・自治体の責任による所得保障」と、手当金等の支給期間の制限はしないよう強く要求してきたところですが、「民間準拠」にあくまで固執する政府は、所得保障の延長を見送りました。
こうした回答を受けて、最後に浜島事務局長は、「法の精神をいかすためにも、取りやすい制度にすることが大切だ。所得保障や復帰時の研修制度などの支援措置がなければ休暇も取りづらい。実質的に取得できる制度にするため、今後の課題として政府に検討を求める」とあらためて使用者としての政府の努力を求めました。
育児休業・介護休暇の延長が実現する見通しとなったことで、今後は、所得保障をはじめとする制度の拡充・改善が求められています。引き続き、公務労組連絡会として、真に実効ある制度にしていくためにとりくみを強めていきます。
なお、この日の交渉では、全教がとりくんできた緊急団体署名255職場分(前回とあわせて777職場分)を総務省に提出しました。
<参考>
国家公務員の育児休業等に関する法律及び一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の一部を改正する法律案の概要
1 趣旨
本年8月8日の人事院からの意見の申出等を踏まえ、職員が自ら育児又は介護を行う場合における育児休業、介護休暇等の制度を拡充するものである。
2 主な改正事項
(1)国家公務員の育児休業等に関する法律の一部改正
@ 育児休業の対象となる子の年齢の引上げ
育児休業の対象となる子の年齢を、3歳未満(現行1歳未満)に引上げ
A 代替要員の確保措置
育児休業をした職員の業務を処理するため、臨時的任用のほか、任期付採用を行うことができるよう措置
B 部分休業の対象となる子の年齢の引上げ
1日の勤務時間の一部について勤務しない部分休業の対象となる子の年齢を、3歳未満(現行1歳未満)に引上げ
(2)一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の一部改正
介護休暇の期間を、連続する6月(現行3月)の期間内に延長
(3)施行日
平成14年4月1日
以 上
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