No.283
2001年10月4日
公務労組連絡会FAXニュース
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「3年連続の賃下げ勧告」を「完全実施」

明日(10/5)閣議決定

 本日、公務労組連絡会は、官民較差0.08%(313円)にもとづく暫定一時金の支給と0.05
月の一時金引き下げによる「3年連続の年収マイナス」という最悪の2001年人勧の取
り扱いをめぐって総務省交渉をおこないました。交渉には、松村忠臣副議長、浜島勇事
務局長、黒田健司事務局次長、松本利寛「公務員制度改革」対策委員長が参加し、総務
省からは人事・恩給局の加瀬総括課長補佐、山石課長補佐が対応しました。
 そのなかで、総務大臣が明日(10月5日)開催する第2回給与関係閣僚会議に人勧
「完全実施」の方針を提起し確定するとともに、ひきつづく閣議で同方針を決定する予
定であることを明らかにしました。回答をうけて公務労組連絡会は、容認できない旨を
表明しました。

育児・介護制度改善法案を今臨時国会提出へ準備
◇ 冒頭、松村副議長は、公務労組連絡会が8月8日の「2001年人勧」をうけ、直ちに内閣総理大臣ならびに総務大臣宛に「公務員賃金等に関する要求書」を提出し、@3年連続の年収マイナスとなる給与法改定をおこなわないこと、A自治体・特殊法人の賃金決定に介入しないことなど5項目にわたる要求の実現を求め、関係各省と交渉を重ねてきた経過を明らかにしたうえで、公務労働者の生活悪化と消費不況を加速する「賃下げ」は絶対おこなわないことを強く求め、回答を迫りました。
◆加瀬総括補佐は、「2001年人勧」の取り扱いをめぐって、この間政府部内で検討してきたがこの程対応を決めたことを表明。現下の経済・財政事情や公務をめぐる厳しい環境のなかで、勧告の内容と意義をふまえ総務省として「勧告通りの実施」にむけて努力してきたとした上で、その結果、明日の第2回給与関係閣僚会議に諮り、ひきつづく閣議で決定する見通しを示しました。また、勧告にもとづく育児休業・介護休暇の改善についても、関係省の部内調整をすすめ所要の法改正案をまとめ、今臨時国会に提出することを明らかにしました。

賃下げの悪循環を断ち切れ!実効ある育児・介護制度を!
◇この総務省回答に対して浜島事務局長は、我々の基本スタンスは「人勧完全実施」ではないとしたうえで、「3年連続の年収マイナス勧告実施」方針は公務員労働者の生活を直撃するのみならず、関連労働者「約750万人に影響する」(人事院)こと、さらに公務と民間の賃金引き下げの悪循環に陥ることを指摘しました。そして賃金切り下げは労働者の消費購買力に冷水をかけ、地域経済と日本経済全体を冷え込ませてしまう「景気に逆行する」ものだと厳しく批判し、「賃金引き下げ」の方針に強く反対しました。
 また、育児休業、介護休暇の期間延長に関して、男女共に取得しやすい制度とするためには所得保障が欠かせない。共済組合の給付でなく、使用者の立場から国の負担で所得保障をおこなうよう財政当局にはたらきかけることを求めました。
 退職金官民比較調査の集約状況と結果の開示にむけての見通しを明らかにするように求めるとともに、「公務員制度改革」について、国民のための公務員制度にむけて総務省が加わっている「制度官庁連絡会議」を通じて我々の意見・要求を反映するなど努力をおこなうことを求めました。とくに、当面している「新人事制度の基本構造」(議論のたたき台)の検討にあたっては、公務員労働者に労働基本権の付与を課題とすることを提起するよう求めました。
◆これに対して総務省側は、公務員賃金削減などの厳しい声があるなかで、政府として勧告制度を尊重し「人勧完全実施」方針を決めたことを強調し、育児・介護制度についても関係各省との調整をしていることを表明しました。また、「公務員制度改革」については、内閣官房行革推進事務局が職員団体とも対応していることを理由に「連絡会議」等での対応はできないことを示しました。

 最後に松村副議長より、改めて「賃下げ人勧完全実施」の不当性を再度厳しく指摘して交渉を終わりました。
 以 上